料理家の松本日奈さんが、キッチンにまつわるあれこれをつづる連載「キッチンにひと工夫」。
今回は、おすすめの「せいろ」の使い方をご紹介します。
寒い季節こそ活躍させたい!

最近、静かなブームになっている「せいろ」。
ころんとして、どこかノスタルジックなフォルムで可愛らしい調理器具ですが、「収納場所に困る」「詰め方がわからない」などの理由で敬遠してしまう人も多いようです。
でも、実は扱い方も簡単で時短になるのがせいろ。寒い季節には、立ち上る湯気を見ているだけで、気持ちもほかほかしますよね。
今回はせいろひとつで1食分をつくる使い方をご紹介します! 使い方やお手入れ法にもふれました。
ほったらかし!せいろでつくる蒸しうどん

せいろを何段かを重ねて何品かを一度に調理することもできますが、今回は1段で完結する料理です。
材料や分量は参考までに。海老の代わりに肉や魚を入れてもいいですし、きのこ類を入れるのもおすすめです。
<材料(1人分)>
・冷凍うどん…1玉
・焼売(冷凍でOK)…2つ
・海老…2尾
・青菜…適量
・かぶ…適量
・料理酒…適量

ちょうどいいサイズの鍋がない場合は、蒸し板があると便利です
<用意するもの>
・せいろ(今回は内径18cmのものを使用)
・クッキングシート
・鍋(直径がせいろの直径より1〜2cm大きいもの)
・蒸し板(必要に応じて)
<下準備>
・海老は殻をむき、料理酒をふっておく
・野菜は適当な大きさに切り揃えておく
・鍋にたっぷりの湯を沸かしておく
<調理手順>
1. せいろは全体をさっと水で濡らす。クッキングシートを敷き、食材を並べる。

2. 鍋がせいろより大きいか小さい場合は、蒸し板をのせる。

3. しっかり蒸気の上がった鍋(蒸し板)に材料を並べたせいろをのせる。

4. ふたをして、強火のまま10分ほど蒸す。蒸し板を置かない場合は、クッキングシートは外側へ倒さずにせいろのなかに入れること。

5. 材料がしっかりとあたたまっていることを確認できたらできあがり。ポン酢やごまだれなど、お好みのたれにつけて召し上がれ。
<ポイント>

うどんはもっちり、海老はぷりっぷり、焼売はほっくり、かぶはジューシーに。それぞれの具材が最高の状態に蒸しあがりました!
つけだれはお好みで。今回は器に白だしを水で割り、ごま油をたらしたつけだれでいただきました。柚子胡椒も相性抜群です。
クッキングシートを敷くのは、肉や野菜などから出た脂分のにおい移りを防ぐためです。蒸すのが野菜だけなら、クッキングシートを敷かなくてもいいでしょう。
クッキングシートがなければ、キャベツや白菜の外側の大きな一枚を代わりに敷くのもおすすめです。せいろは、使う前にさっと水で濡らしてください。
火の通りにくい根菜は薄めに、火が通りやすい野菜は厚めに。葉物はできあがりの直前に入れるのもよいですね。
火が通りにくい肉や魚は湯の近く(せいろの底に近いところ)に置くといいですが、根菜やきのこなどに肉や魚の出汁をしみこませたい場合は、のせる順を変えてもOKです。
焦げてしまう料理とは違い、せいろは放っておけるのもいいところ(湯がなくなって空焚きしないように注意)。
使用後は洗剤は使わずに、濡らしたふきんで拭くか、ささっとぬるま湯で洗って、しっかりと乾かしましょう。食洗機の使用はNGです。
鍋もオーブンもホワイトソースも使いません。グラタンはもっと簡単にヘルシーにつくれるよ
余った白菜はこうして食べてみて。びっくりするほど美味しい「白菜ステーキ」



